「形見函と王妃の時計」 アレン・カーズワイル

形見函と王妃の時計 (海外文学セレクション)

形見函と王妃の時計 (海外文学セレクション)

NY公立図書館に勤める司書の主人公は、ある老人から形見函の中の空きスペースに入るはずのものを一緒に探すことを依頼されるが…。
主人公が司書ということで、かなり身近に読めました。てか、そうじゃないと読めなかったかも…。表現とかがかなり独特です。
主人公は、図書館の資料やデータベースを用いて情報を集めていくわけですが、そのへんはニヤリ、という感じでした。一番面白かったのは、図書館での「階級闘争」かな。デューイ十進分類法にどれだけ精通してるか、という競争なんですが、分類番号が20桁以上って…有り得ねぇ…。
しかし…、主人公の心の動きがイマイチよく分かりませんでした。何であんなことで「裏切りだ!」とか言うのか…。ちょっと強引に調査に引き込んだだけじゃん?「自分の人生を取り戻すのだ」とか…。老人はそんなにひどいことしてないと思うのですが。むしろ、主人公の復讐のが…。しかも最後には仲直りしてるっぽいし。理解出来ません。