「バイバイ、エンジェル」 笠井潔

批評会の必要に迫られて、何とか読めました。そうでなかったら放り出したか、絶対に一部は読み飛ばしたと思われ(苦笑)
んー、やっぱり70年代なんですかねぇ。雰囲気は嫌いではないのに、イマイチ馴染めませんでした。キャラで言えば、ナディアもカケルもマチルドも、どうにも感情移入出来ず、好みそうなキャラはいるんだけど(モガール警視とか教授とか)表に出てこないし。トリックにしろ動機にしろ、ひどく実際的で驚愕の真相とはいかないし。(まあ、それが作者の書きたかったことに繋がっているのでしょうが)
最後の20ページくらいが作者が語りたかったことだというのも分かるのですが、そこだけが浮いてしまっているのがなんとも…。(批評会が無ければ読み飛ばしたこと確実)こう…、物語のための薀蓄ではなく、薀蓄のために物語があるんですよね。ミステリとしてはそれはちょっと…、と思ったり思わなかったり。
唯一、「本質的直観」に関する話は面白かったかな。
あと批評会でバルベス萌えしてる後輩が面白かった(笑)