「名探偵なんか怖くない」西村京太郎

名探偵なんか怖くない (講談社文庫 に 1-2)

名探偵なんか怖くない (講談社文庫 に 1-2)

メグレ・ポワロ・クイーン・明智と世界の名探偵を集めて三億円事件に挑戦させようというすごいパロディ。何と言ってもスケールがでかいです。世界の名探偵を集めようという発想もですが、その上三億円事件を実際に三億用意して再現しようという 無茶 豪気な設定。もちろん、そんなことが順調に進むだけで済むわけがなく、事件は二転三転。
見事な伏線や激しい驚きといったものは無いものの、そうくるか、というような想定内ではあるけれど意外性はある展開が安心して楽しめました。さらにパロディとしての要素も十分。(ただし、油断してるとぽろぽろネタバラしされますが・苦笑)
しかし…、ほんと、西村京太郎ってトラベルミステリ以外には普通に面白いし上手い作品が多いのですよね。少なくともミステリ的には、トラベルミステリのせいで過小評価されてるよなぁ。シリーズ外にさりげなく名作がある赤川次郎なんかと同様(苦笑)