「本格推理 11」 鮎川哲也編

本格推理 〈11〉奇跡を蒐める者たち (光文社文庫―文庫の雑誌)

本格推理 〈11〉奇跡を蒐める者たち (光文社文庫―文庫の雑誌)

「本格推理」は初めて読んだのですが、もう、ある意味微笑ましいくらいにまっすぐに本格な作品ばかりで、楽しくなってしまいました(笑)ネタはともかくとして(時によってはネタも…)文章があからさまに素人な作品が混じっているのも多分ご愛嬌。
で、一応お目当ては石持浅海(こちらも強化中)の短編だったのでそれだけ個別コメント。

「暗い箱の中で」 石持浅海

地震による停電で閉じ込められたエレベーターの中、一人が殺される。そこにいたのは同じ会社の同僚が五人だけ。犯人は?動機は?というわけで、見事なほどに石持浅海らしいクローズド・サークル。動機がちょっと説得力に欠けるのも相変わらず(笑)とはいえ、その辺は短編ということで見逃してもいいかな。推理の過程やなんかはすっきりしてるし納得もいきます。全体的に綺麗にまとまっているとは思うのですが…、短編としてはもう少しアクセントというか毒が欲しいかなぁ、個人的には。