「クリムゾンの迷宮」 貴志祐介
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1999/04/09
- メディア: 文庫
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異様な風景の中で目覚めた主人公はわけも分からぬまま、謎のゲームに参加させられる。それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。
…ということらしいのですが、うーん…、微妙。まず、一応ホラーに分類される作品のはずなのですが、何が怖いのかが分からない。強いて言えば、理性の箍が外れた人間、ってことなのかなぁ?それとも他人を弄ぶことに躊躇いを感じない人間?
ゲームの設定なんかは細部まで上手くできてるし、どんどん読み進めるだけの勢いもあるんですが、なんだかすっきりしないんですよね。全体的に中途半端というか。ゲームや周辺描写のリアリティに比べると、主人公も含めた人物描写がいまいちはっきりしなかったり、主人公と女性の恋愛関係(?)にも説得力が足りないような。でもって、話のスタイルも序盤から中盤はサスペンス風なのに、最後だけ妙にハードボイルド調だったり。
と、俺がこんな風に細部が気になるのは、結局好みでない作品だったということなのでしょう。思ったよりもミステリ風味が足りなかったのが不満なのかもしれません。