「13番目の人格−ISOLA」 貴志祐介

貴志祐介強化作品第2弾(?)
阪神大震災の被災者の心のケアをしていた女性は、ある日多重人格の少女と出会う。カウンセリングを続けるつうち、彼女の中にはISOLAという危険な人格が存在することに気づき…。
主人公の行動も明らかにミステリ的だし、ミステリに分類してもいいかな、とも思ったのですが、世間的なジャンルを優先させました。ホラーとしてのドキドキ感も十分にありましたしね。
面白かったです!(個人的には)微妙感満載だった「クリムゾンの迷宮」に比べると、格段に面白い。阪神大震災後の神戸が舞台ということで、想像しやすいというのもあるのかな。人間関係も含め、基本的に違和感無く読めました。ミステリ的側面としても、人格たちの名前に込められた意味を使った伏線に完全にやられたし(嬉)個人的好みとしては、更に心理学やカウンセリングに関する薀蓄がもう少し書き込まれてたりしたら完璧だったかなぁ。…って、それやったらかなりミステリに傾く気がしますが。
しかし…、どうやら貴志作品は個人的好みにかなり波があるようです。うーん、この後は「硝子のハンマー」だけ読むつもりだったけれど…、純粋な(?)ホラー作品ももう一冊くらい読んでおいた方がいいかなぁ。