「パラドックス学園」 鯨統一郎

パラドックス学園 開かれた密室 (カッパ・ノベルス)

ドイルにルブラン、カーにクリスティといった名前のメンバーが所属しているサークルに入部した新入部員のワンダ。彼らは間違いなく著名なミステリ作家たちと同一人物。なのにこの世界にはミステリ小説さえ無いという…。そんなサークル内で殺人としか思えない死人が出て…。
と、とーーーっても期待させる設定、なのですが……、読んだら投げたくなります。確実に。少なくとも俺は初めて読み終えた本を投げたくなりました。そんな内容なのに、最後まで結構楽しく読めてしまうのが憎い。でもって、どんなに投げたくても投げられない仕掛けになっているのも憎い。見事なバカミスだと思います。凶器やなんかは間違いなく前代未聞だし、メタな部分なんかもそこそこ楽しめるのですが…。ああ、憎い。