「戦う司書と雷の愚者」山形石雄

戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と雷の愚者 BOOK2 (集英社スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾」の続編。前巻があまりに良かったので、少し不安を持ちながら読んだのですが、文句なしに面白かったです。綺麗さでは前巻に負けますが、ストーリーは普通に面白いし。アクションシーンも更に読みやすく・想像しやすくなった…と思います。なんとなく。
話の方は、多少前巻とリンクさせてはいるものの、基本的に別物。新米司書見習いと雷の愚者こと「怪物」の話です。恋する「爆弾」がメインだった前巻とは異なり、司書と怪物、両方の物語となっています。なので、キャラクターが見えないということもなく(前巻のハミュッツはねぇ・・・)終わりかたなんかも読んでる方としては感情移入しやすくて良かったです。因みにハミュッツは完全に黒幕化(笑)裏で色々企んでるようです。
シリーズとしては、一部の人間が使う「魔法」の説明や「神立図書館」の描写などもあり、前巻とこの巻で大まかな世界観の説明は済んだと言うところでしょうか。今後も一話完結形式で続くのでしょうが、どこかで完結に向けて動き出すとき、妙に話が大きくならなければいいなぁ、と思います。それだったら最初から大きくして欲しい。そしたら読む前に覚悟が出来るし。わりと、個々人のエピソードを通して全体が形づくられる、みたいな方が好きなので、このままの形式で続いて、終わって欲しいなぁと思います。