「シャーロック・ホームズの回想」

説明は不要ですね。ホームズの新訳です。
訳者さん曰く、新しい読者のための新訳。実際、これまでの訳に比べると格段に読みやすいと思います。庶民的すぎる!とかいう意見も出てきそうなくらい(延原謙訳を信奉している方々とか…)注釈も当時の英国の文化など、かなり一般的なものばかり。というか、シャーロキアン的な注釈はあえて省いたようです。でも、当時の英国文化とか、実際分からないことは多いわけで。痒いところに手の届く注釈だと思います。「入院患者」での二人が腕を組んでいるイラストに関する注釈はさすがに笑いましたが(苦笑)そこにつけるかー、みたいな。当時のイラストも適度に入っていて、ファンとしては嬉しい限りですね。
まあ、唯一不満があるとすれば、表紙にいる妙なホームズさんですが;ほんとに力が抜ける……。これが無ければ、さりげなく箔押しなんかもしてあって、かなりシックでいい装丁だと思うのですが。味がある…、と言えないこともないのですが、どうもねぇ;