「・・・・・絶句」 新井素子

…絶句 上 (新鋭書下ろしSFノヴェルズ)

…絶句 上 (新鋭書下ろしSFノヴェルズ)

…絶句 下 (新鋭書下ろしSFノヴェルズ)

…絶句 下 (新鋭書下ろしSFノヴェルズ)

読み終えてとりあえず絶句(苦笑)
とにかくすごいです。べたなSFかと思いきや、話があっちへ行きこっちへ行き、いつの間にか戻ってきて、最後はしかるべき結末へ。要約してしまえばこれでお終いなのですが、あっちへ行きこっちへ行きの課程がものすごいのです(笑)なんつーか、空想好きの女の子が、お気に入りのキャラクターを使って、書きたいことを全部書きました!みたいな感じ。よくもこんなに詰め込んだものだ……。それでいてストーリーが崩壊していないあたりが更にすごい。
一応「新鋭書き下ろしSFノヴェルス」となているのですが、文体の(多少懐かしい雰囲気があるものの)軽さと何でもありなところはSFというよりむしろラノベ的ですね。

「(前略)とにかく、人間は、自然に対して絶句しなかった、たった一つの種族、史上初めて自然に対して口をきいた種族なんだ」(下・p158)