「ペガサスと一角獣薬局」柄刀一

ペガサスと一角獣薬局

ペガサスと一角獣薬局

どの作品もとても映像的。柄刀らしい幻想と論理の中短編集。
ベストは「光る棺の中の白骨」かな。島荘的とんでもトリックだけど、纏め方が綺麗。次点は表題作「ペガサスと一角獣薬局」、「チェスター街の日」で。「チェスター」は分かりやすいネタだけど(森博嗣の某作を読んでいればすぐに思いつくんじゃないかな?)、見せ方に柄刀らしさがあっていい。
「ペガサス〜」で出てきた巨人の事件ってのはやっぱり「御手洗VSホームズ」のあれなのかな。英国&巨人だけなら「暗闇坂〜」にもそんなネタが含まれていたように記憶しているのだけれど、あれは殺人は無かったしな、確か。
しかし、柄刀の帯はいつも素晴らしい。

本格ミステリは、ここまで祈りに近づける。

人はたやすく、永遠を望んではならない。

罪も罰もすべて呑み込んで、神話の中の聖獣が佇んでいる。いつか、きっと逢える。

詩的だなぁ……。