「僕の殺人」 大田忠司

僕の殺人 (講談社ノベルス)

僕の殺人 (講談社ノベルス)

僕はこの事件の最大の犠牲者にして加害者。僕は探偵。僕は証人。僕はトリック。そして僕は記録者。でも…、僕は誰?という、一人六役ミステリ。主人公はある事件以前の記憶を失っていて、その謎に迫る、という話です。
あまり本格っぽくはないかな…。最後の反転だけは複線なんかもしっかりしてて、おお!という感じでしたが。
話自体も面白かったのですが、むしろ興味深いのは帯(笑)講談社ノベルス8周年フェアの帯なのですが裏表紙側に『講談社ノベルスだけの新本格【ネオクラシック】』というあおり文句で並んでいる作家名に、(今現在の)有名作家に混じって、今や名前も聞かないような作家が混じっていたり、表表紙側には「元気ノベルスは89(破竹)の勢いです」とか書いてあったり。時代を感じますねぇ…。