「12月のベロニカ」 貴子潤一郎

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)

幼馴染の少女との約束を果たすために、騎士になた青年。しかし、やっと約束が果たされそうになったそのとき、事件は起きた。
…と書くと、レーベルともあいまって、まるでこてこてのファンタジーのようですが(いや、実際そうでもあるのですが)、少なくとも自分にとってはこれは間違いなくミステリです。それも良質の。伏線の張り方も、ひっくり返し方も本当に綺麗で参りました。ファンタジーだと思って気を抜いて読んでたおかげで、ひっくり返った瞬間、本当に何がなんだか分からなかったし(苦笑)既にレーベル自体が叙述トリックかも(笑)
もちろん、恋愛要素を含んだファンタジーとして読んでも、十分に綺麗だし面白いんですけどね。何しろ、8年ぶりのファンタジア長編小説大賞“大賞”受賞作だそうなので。まあ、これから読む人には、何も考えないで読んで欲しいです。ミステリとか、ファンタジーとか何にも考えず。
つか、あれですね。この作者は眠り姫ネタ好きですね(笑)確か前に読んだ短編集にも眠り姫ネタが…。