「夜市」恒川光太郎

夜市

夜市

日本ホラー小説大賞受賞作>らしいのですが、「…これってホラー?」が一番最初に浮かんだ感想でした(苦笑)だって全然怖くないんですよ。まあ、ホラー作品自体あまり読まないので、「これがホラーだ!」なんて言えるほど知らないし(これがミステリだ!とも言えないけど;)、(ミステリ以外は)ジャンルにこだわって読んでいるわけではないので、構わないと言えば構わないのですが。でも…、ホラー??(しつこい)
ま、それはさておき、中身の方はふとしたことから異界に迷い込んでしまった人間の物語、とでもいうのでしょうか。異界といっても、望むものが何でも手に入る「夜市」や神々の通り道である「古道」など、マヨヒガのような民俗学的な異界で、ファンタジー風味は殆どありませんが。さらりとした文章が作品にとても合っていて、なかなか良いです。ちょっとした人間の闇なんかもあったりして。ミステリでいうなら、北森鴻なんかが好きな人におススメかも。
個人的には、一緒に収録されてる「風の古道」の方が好きかな。