「博士の愛した数式」 小川洋子

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

80分しか記憶を保てない「博士」と、その世話をすることになった家政婦とその息子、三人の物語。とても静かで、ほのぼので、少し哀しい物語でした。数学の美しさと物語の美しさが繋がって、綺麗に纏まってるあたりもとても好みです。
本当にこの作者さんは、さり気無く素敵な文章と物語を書く人です。

背景は暗く、観客もスコアボードも闇に沈み、江夏ただ一人が光に浮かび上がっている。(中略)縦縞のユニフォームの肩越しに背番号が見える。完全数、28。(p282)