「ESD 緊急推理解決院」 新世紀「謎」倶楽部

EDS緊急推理解決院 (カッパノベルス)

EDS緊急推理解決院 (カッパノベルス)

石持浅海加賀美雅之黒田研二小森健太朗高田崇史柄刀一鳥飼否宇二階堂黎人松尾由美という豪華執筆陣(ごめんなさい、三分の一くらい初読です;)による、合作長編(自称)
不可能推理科の(二子玉川の)ホームズ、小児推理科の渋柿信介などなど、各作家の名探偵が常勤・非常勤として勤めている「緊急推理解決院」に数々の難事件が持ち込まれ…、という、名探偵好きにはたまらない設定の下に書かれた合作作品。
ただ…、合作長編と称するには詰めが甘いかなぁ。各作家のパート間で事実関係に齟齬があったり、パートとパートの繋がりと言えるものがなかったり。ていうか、(二子玉川の)ホームズ&ワトソンが働いている(=リアルタイムで実在している)という設定のESDにおいて、探偵師を「ホームズ」・助師を「ワトソン」と称するってのはどうなんだろう?あと、歴史推理科の探偵師がホームズマニアで、『今年はホームズ生誕150周年だからね』とか言ってみたり…。何か、お約束をお約束として上手く処理しきれないっていうか…。まあ、そんなこんなで、合作長編というよりは、同設定の下に書かれたアンソロジーといったところかと…。
とはいえ、玉手箱的な短編集としてはかなり楽しめましたv