ミステリマガジン No.599
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: 雑誌
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パスティーシュと関連記事が掲載されているのですが、パスティーシュ以外の記事のほうは、ホームズ特集というよりは、ドイル特集といった感じで特に個人的な収穫は無かったのが残念。解説で紹介されているパスティーシュや全集の情報はいつか活用できるといいなぁ(遠い目)
とりあえず、パスティーシュは全部読んだので、一言コメントでも。
「ヴェストファーレンの指輪」ジェフリー・ディーヴァー
さすがJ.D、という感じ。ひっくり返し方が見事です。要約してしまうとホームズが得意の科学捜査を逆手に取られるという話で、ある意味ホームズはコケにされているわけで、そのあたりの部分に自称ホームズファンとしては引っかかりを覚えないわけではないのですが。まあでも、犯罪者が科学捜査を逆手に取る、というのは現代のミステリでは良くあるネタであって、それをホームズものに適用するというのはなかなか面白いと思いました。それをリンカーン・ライムシリーズの作者が書く、というのにも十分意味があると思うし。外から見たホームズとワトソン、という視点も嫌いではないです。(以上、ネタバレ自粛…、になっているかなぁ)
「疲れた船長の事件」ルネ・レウヴァン
かなり正統派なパスティーシュ。でもって、オチは「そうくるか!」という意外な人物が。少なくとも「リーグ・オブ・レジェンド」を楽しめる人にはお勧め。
「幽霊探偵スケリントン・ボーンズ」デイヴィッド・スチュアート・デイヴィーズ
ううん。見事にくだらないパロディ。こういう系のパスティーシュは初めてだったので(というか避けてきたので)ちょっと新鮮でしたね。適度に小ネタも入れてあって、楽しめました。