「猫子爵冒険譚 血文字GJ」赤城毅

血文字GJ―猫子爵冒険譚 (ノン・ノベル)

血文字GJ―猫子爵冒険譚 (ノン・ノベル)

同じ作者の「麝香姫の恋文」がなかなか良い雰囲気だったので、手にとってみたのですが、こちらは完全に伝奇もの。作者独特の時代設定やキャラ設定はなかなか好みだったのですが、伝奇ものとしてはちょっと軽いかなー、といった感じ。文体もキャラも。菊池秀行ほどのディープさは無く、田中芳樹の一部の作品のように少年少女向けというわけでもなく。ちょっと中途半端に感じました。伝奇もので魔術を使うくらいなら、メフィスト先生くらいの超越感は欲しいですね。猫子爵は頭がいいということは良く分かるのですが、異能的な面の説得力がちょっと弱いのかな…。一応、稀代の魔術師の末裔、という設定は付いているものの、その魔術師の名前を知らない自分にはいまいちインパクトが弱かったです。