「ラッシュライフ」伊坂幸太郎

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

金で全てを買えると思っている男、父親に自殺され神に憧れる男、不倫相手との再婚のために殺人を企む心理カウンセラー、リストラで家族に見捨てられ40回連続で再就職に失敗した男・・・、この世の中のどこかにいそうな人々の人生がところどころですれ違い、クロスして描かれていく群像劇。その結末は…。
やっぱり、伊坂はいいですねー。前二作に比べると、ミステリ色は薄れ、小説…というか純文学?な感じ。でも仕掛けはしっかりあって、単なる群像劇かと思いきや、中盤あたりで疑問符が頭に浮かび、最後には綺麗に集結します。伏線の数々も、さりげなく、それでいて堂々としていて、後から振り返ってみると感動モノです。ここのところ、細切れでしか本を読めなくて、一週間以上(下手すると半月以上?)かけて読んだのですが、出来るものなら一気読みしたかった!と思います。絶対にその方が面白いし。
で、伊坂であるからには適度にキャラも立っているわけですが、今回の好みは何と言っても黒澤さんですねー。プロ意識が素敵です。高橋さんも良さげだけど、殆ど出てきてくれないので、評価は保留。伊坂作品は結構リンクが多いので、今後に期待してみたいです。