「悪魔の涙」 ジェフリー・ディーヴァー
- 作者: ジェフリーディーヴァー,Jeffry Deaver,土屋晃
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/09/01
- メディア: 文庫
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タイトルだけ見るとあまりミステリっぽくありませんが(まあ、JDの作品はいつもそうか;)れっきとしたミステリです。原題は「The Devil's Teardrop」個人的には原題の方が好きですが、カタカナにするとちょっと滑稽かな。ちなみに、リンカーン・ライムとは別シリーズ(といっても、今のところは単発)。文書鑑定士のパーカー・キンケイドが探偵役です。
再読して感じたのは…、エンターテイメントとしての出来の良さ、ですかね。かなり書き込まれているので、実際にはたった半日の話なのに、壮大なストーリーを読んだ気分になります。しかも、それだけ書き込んでいるにも関わらず、リーダビリティは失われていないし。また、視点が犯人・探偵役・FBI捜査官・真犯人(って、ネタバレ?、とはいえ、JDでどんでん返しが無いと思う人はいないだろうから、いいか・笑)の間で何度も移動して、読者には一種の倒叙もののような楽しみもあるわけですが、視点移動によってストーリーがぶれるようなこともないし。強いて気になったところを挙げるとすれば、節ごとの頭に入れてある、時間と事件の経過を示す砂時計&時計が下の方にあるせいで、殆ど効果を発揮してなかったことですかねー。どうしても新しいページに行くと、視点は上に向かうので。もう少しレイアウトを考えても良かったのではないかと思います。まあ、これは作品というより、本に関する難点ですけどね。
あと、キャラクターとしても、キンケイドと捜査官ルーカスのコンビはかなり好きかも。最近のJDはライムシリーズにかかりきりのようですが、出来るものならこちらも続編を出してもらいたいものです。もちろん、ライムシリーズも、ライムとかアメリアとかトムとかトムとかトムとか、大好きなんですが(笑)