「戦う司書と恋する爆弾」 山形石雄

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)

戦う司書と恋する爆弾 (スーパーダッシュ文庫)

タイトルに惹かれたことは言うまでもありません(笑)本当は「図書館戦争」が読みたかったんですが、どこにも無かったのです(涙)
この世界での「本」とは人間の記憶と魂が化石化したもの、みたいな感じで、鉱物のように発掘されています。その「本」を収集・管理している唯一の組織が神立図書館で、そこの管理人で「本」を守っているのが武装司書たち。最強司書ハミュッツ・メセタを殺すために洗脳された「爆弾」コリオがある「本」の中の姫さまことシロンに出会って…という話。
武装司書の能力や、戦闘シーンも面白いのですが、結局の所これはラブストーリーというやつなのですね(笑)ある意味究極のピュア・ラヴ。これだけの設定を用意すれば、ただの戦闘アクションものでも書けただろうに、それをあえて恋愛ものにしてしまったあたりがすごいなぁ、と思います。しかも面白いし。あ、因みに恋する爆弾の恋の相手は戦う司書ではありません、念のため。
でもって戦う司書ことハミュッツ・メセタはかなり凶悪な予感。皆殺しが通常って…(苦笑)まあ、そんな彼女も究極のピュア・ラヴの前には力を出し切れずに終わってしまうのですが。「ごめんなさい」とか言われてもねぇ。
世界観といい、ストーリーといい、なかなかお気に入りの一冊になりそうです。続編も読んでみようかな。これはこれで綺麗に完結しているので、ここで終わってもいい気もするんですが…。何かこう、シロンとコリオの物語がね、綺麗にこの一冊で閉じているだけに、(明らかに)シリーズ化を意図して付け足されたであろう最後のエピローグがいかにも蛇足です。