「摩天楼の怪人」 島田荘司

摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)

摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)

怪人の行動原理とか、途中で挿入された地下帝国の話とか、怪人は本当にあんなところで生き延びられたのか?とかとか、イマイチ腑に落ちない部分はあるものの、最終的なトリックや全体像はさすが島田荘司、という感じの綺麗さでした。
つか実際の所、島田荘司もよくこれだけのものを恥ずかし気もなく書けるよなぁ(苦笑)自分としては、こういう系(上手く説明出来ない…)をじっくり読んだのは久々だったので、唐突な展開に入り込めない部分もあったりしました。とはいえ、圧倒的な謎と名探偵、美女と怪人、そして前近代と近代さらに未来の狭間に建つビルという素晴らしすぎるくらいの道具立ての前にはそんなことはどうでもいい気分にさせられるわけですが。
……でもやっぱり、御手洗と石岡くんが揃っていないと物足りないよなぁ。御手洗がいないよりは、石岡くんがいない方が随分ましとはいえ。