「びっくり館の殺人」 綾辻行人

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

児童書（名目は）なのに、館シリーズの正統な8作目という掟破りな1冊。ノベルス化とか文庫化とかするのかなぁ…。したら、すっごい薄さになりそうですが。並べたら暗黒館との対比がすごそう(笑)
さて、そんな作品ですが、中身は確かに館シリーズ。しかもどちらかというと暗黒館寄りな雰囲気の館ですね。鹿谷門実が活躍しない点も含めて。
真相というかトリックは…、あまり好きとは言えないかなぁ。読了後まず浮かんだのが『クビシメ』でした（苦笑）あと、個人的には、名探偵はさてといい、のスタイルじゃないのもちょっと。ある人が予想した「屋根を開けたらびっくり！」が当たっていたのには笑いました。
しかし、誰かさんも言っていましたが、確かに館が描けてないですねぇ…。完全に住人＞館な感じ。今までは館≧住人（または犯人）だったのに。暗黒館があれだっただけに、少し拍子抜けな感じは否めませんでした。
で、館も残り二つですか。片方は今回も言及があった奇面館なのでしょうが、もう一つはどんな館なのやら…。そしてあと何年かかるのやら…。その辺も気になります(笑)