「終末のフール」 伊坂幸太郎

終末のフール

終末のフール

世界の終末が3年後に迫った世界。そんな世界で、静かすぎるくらいに淡々と生きている人々の群像劇。これって…、純文学なんですかね??ミステリでは無いし、SFでも恋愛小説でも時代小説でもないし…。
まあ、何にしろやっぱり伊坂は面白い。設定も上手いし、色んな年代の色んな境遇と人間を、よくもこんなに書けるものだなぁ、という感じ。舞台はいつもどおり仙台。「ラッシュライフ」でも思いましたが、中途半端な地方都市というのは、こういう…ちょっとあり得そうであり得ない話しを書くには向いてるんですかね。
個人的にベストは「演劇のオール」次点は…「終末のフール」「冬眠のガール」あたりかな。冬眠、したいです(笑)
ただ……、ちょっと物足りなかったかなぁ、というのも正直な感想。多分、ミステリ的仕掛けや驚きが少なかったからでしょう。あと、連作短編集としても、つながりはあるものの、全体を纏める一話、みたいのが無いのが物足りないかも。個々を読んだときと、纏めて読んだときで、見える絵があまり変わらないのですね。景色の反転とかも無いし。それはそれでいいんでしょうけど。「薬指の標本」(小川洋子)なんかは、全然反転しないしね。「博士の愛した数式」は新しい世界が見えますが。う〜ん、伊坂はミステリ作家だと思っていたのですが。もうミステリに飽きたのかなぁ…?