「宮崎アニメの暗号」 青井汎

宮崎アニメの暗号 (新潮新書)

宮崎アニメの暗号 (新潮新書)

宮崎アニメに隠された隠喩やオマージュから宮崎アニメの本当の世界観を読み解く、というテーマの本。
が、その殆どが「もののけ姫」読解ともいえる、「もののけ姫」からはどれだけの隠喩が読み取れるか的な話に費やされていて、ちょっと拍子抜け。これなら『もののけ姫の暗号』で良かったような(苦笑)個人的にはもっとナウシカとかラピュタとかも追求して欲しかったです。「もののけ」が宮崎アニメの一つの集大成であることは確かなんだろうけど……。そして、欠片も取り上げられなかった、「紅の豚」とか「魔女の宅急便」の立場はどこに?(苦笑)あれだって、立派な宮崎アニメの一端だろうに。
というわけで、まあこれはタイトルを付け損なった本の良い見本であると思います。まあ、色々な隠喩を作者の考えで一応一つの結論に結びつけている点は、好感が持てましたが。でもちょっと自分の知識では辛かった;