「Rのつく月には気をつけよう」石持浅海

Rのつく月には気をつけよう

Rのつく月には気をつけよう

湯浅夏美と長江高明、熊井渚は大学時代からの呑み仲間。毎回誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。酔いもまわったところで盛り上がるのは恋愛話で-。小粋なミステリー連作短編集。

まあ、ものとしては柄刀の「シクラメン」とか石持の中では「心臓と左手」に似た感じ。ほのぼのしてはいますが、結構苦みの残るオチが多いところからすると、書いたのは黒石持かな(笑)
酒もつまみも非常に美味しそうで、寝る前にお酒片手に一編ずつ、なんて贅沢な読み方もいいかもしれません。装丁もすごくいいし。
個人的には、何は無くとも、な感じの恋愛話とか、最後の(短編集としての)オチとかがちょっと食傷気味なネタだったので少々マイナスですが。やはり今年の石持のベストは「心臓と左手」ですねぇ。