「温かな手」石持浅海

温かな手

石持浅海の連作短編集。人間に擬態して生きているギンちゃん＆ムーちゃんと、共生関係にあるパートナー。彼らが事件に巻き込まれて、というのが大まかな筋。
人間に見えて人間じゃない探偵役たちはそりゃもう冷静だし、パートナー達も彼らの特殊能力によって冷静になってしまうので、ものすごく淡々と事件は語られる。石持浅海の文体も結構ほのぼのな感じ。でも、その裏にあるのは結構ブラックだったり哀しかったりする事件の真相。このギャップがたまりませんね。個人的には「子豚を連れて」がツボでした。傑作ではないけれど良作です。
雑誌掲載の連作短編なので、一気に読むと説明的文章が重複してるのが気になりますが。ちょっと加筆修正してくれてもいいのになぁ。あと各短編のタイトルもちょっと微妙？「大地を歩む」なんかはいい感じですが。。。